問題
あるエンタープライズ開発チームは、エンタープライズデータウェアハウス(EDW)のデータにアクセスするウェブサイトの開発に取り組んでいます。
EDWデータにアクセスするためのAPIの作成に3ヶ月を費やしました。
ところが最近、別のチームが既にEDW用のAPIを構築し、会社のSalesforce組織にデータを表示させていることが判明しました。
MuleSoftによると、エンタープライズ組織内のどのような構造が、開発チームの開発期間を最大3ヶ月短縮できたのでしょうか?
選択肢
答えと解説
それでは、回答について解説していきましょう。
MuleSoftのベストプラクティスによると、
Enablement Center(C4E)は、再利用の促進、標準の確立、そしてチーム間のセルフサービス化を目的とした、
部門横断的なチームです。
ガバナンスとEnablementの構造を通してAPIなどの資産を共有することで、開発作業の重複を回避します。
このシナリオでは、C4Eは既存のAPIの可視性を維持し、チームがそれらを認識して再利用できるようにすることで、
最大3か月分の重複作業を節約できます。
MuleSoft の提唱する組織モデルである C4E
について紹介します。
冒頭でも紹介しましたように、MuleSoftは、C4E(Center for Enablement)と呼ばれる組織体制を推奨しています。
海外記事の翻訳ですが、MuleSoft社の公式ブログでも紹介されていますので併せてご参照ください。
MuleSoftブログ:Center for Enablement (C4E) とは何か?
MuleSoftの組織モデルでは、Part1で紹介しましたAPIのレイヤーごとに、組織内の利用者と管理・作成するロールを定めています。
各役割のユーザは、このサイクルをAPIの利用者と設計者の間で繰り返し、API仕様を定めた後にAPIの実装に移ります。
API が公開された後も、APIの利用者は継続的にフィードバックを行い、開発者はさらにAPIの再利用性を高めていきます。
この、APIの生産と消費を繰り返すことが、MuleSoftの提唱する組織におけるAPIの再利用性の指標の一つとして定義されています。
C4E
は Federated な Cross Functional チームを指します。
よく似た言葉で、COE(Center Of Excellence)
がありますが、これはMuleの専門知識を持って組織への導入を助けるCentralizedなチームを指します。
Muleの世界では再利用をベースにしたAPI-ledを広めていく役割として組織横断チームをC4E
と呼んでいます。
C4Eの責務には次のようなものがあります。
つまり、社内のAPIアセットの再利用を浸透させ、開発と運用のサイクルをを促進させる組織体制が C4E の根幹と言えるでしょう。